先生の服は傭兵という職業柄か目立たず地味だ。闇に紛れそうな黒に近い灰色。魔道士のような広くて長い袖と裾が、いそいそと右に左に揺れ動く。茶を淹れるのが本当に好きらしい。ユーリスも誰かのために料理を作るのが好きだから気持ちは分かる。
茶会に誘われる時は既に準備が整ったところに招かれるので、茶を淹れてくれている場面は初めて見た。いつもこんな風に楽しそうに用意してくれてるんだな。
(この人、モテそうだよなあ。俺様ほどじゃねえが、じゅうぶん上玉だし)
すらりと伸びた手足、隙のない鍛えられた体躯。
互いの戦力を分析し、犠牲を抑え迅速に戦いを終わらせる用兵術はユーリスの求める手本そのもの。戦場での勘の鋭さと、『灰色の悪魔』の異名に恥じない剣の腕には文句のつけようがない。
その腕は今、棚の下からガサゴソと籠と紙袋を取り出しているが。
金属瓶が蒸気を噴きながら鳴く。先生は蝋燭の火を消し、沸騰した湯をじょぼじょぼと白い陶器瓶に注いだ。さっき茶葉を入れてた瓶だ。
ユーリスは視線を移した。
好喜欢这段尤里对雷特的想法,漂浮着的思绪……