「光の点綴」我含泪去世😇
本当に、青い花になってくれますか。
「なる」
人は花になれないんです。
異種の蝉が交雑することもありえないのです。
「僕が本当にしてみせる」
その言葉をかすがいとして。
これから降る孤独の星霜を、
生きていけるような気がします。
「光の点綴」我含泪去世
…十郎を愛しいと感じます。
ですがこれは差し出した小指をきつく縛られることと同じなのです。
一緒に狂えない寂しさ、
十郎の全てを受け止めてあげられる喜び、
その食い違った二つの気持ちにいつも胸は締め付けられるのでした。
「光の点綴」我含泪去世
君は小さな声で囁く。
僕にしか聞こえない、微かな声だ。
僕は同じくらい小さな声を返す。
すると君は語彙を変えて囁いたため、
僕はまた、君に返事をした。
これは今に始まったやりとりではない。
幼い頃、僕は君の寝顔に同じ言葉をかけたものだ。
…君はずっと覚えていたんだな。
ならばずっと前から、僕たちは両思いだったというわけだ。
「光の点綴」我含泪去世
「あなたが死んだら、地球を滅ぼしますね」
また一つ、花火が上がる。
「それまでは。あなたの平和を守ってあげます」
「僕は死なない」
「次は青い花に生まれ変わろう。夜美の好きな色だ」
「見つけたら、摘んで君の髪に挿してくれ」
「枯れる頃にはまた、新しい花に生まれ変わろう」
君は僕の言葉を笑わなかった。
涙する君を見て、
笑っていたのは僕のほうだった。
嗼嗼分修
再放送:SW-1705-9783-9495