和歌memo 姫空木編-共通 

我が心 焼くも我なり はしきやし
君に恋ふるも 我が心から
(姫空木)
私の心を焼くのも自分からである。いとしい君に恋するのも、他ならぬわが心からである。

和歌memo 姫空木編-共通 

塵泥の 数にもあらぬ 我ゆえに 思ひわぶらむ 妹がかなしさ
(姫空木)
塵や泥のようにつまらない、物の数にも入らない私のために、辛い思いをしているあなたが愛しいことだ。

和歌memo 姫空木編-姫空木√ 

我が待ちし 秋萩咲きぬ 今だにも
にほひに行かな 彼方人に
(姫空木)
私が待っていた秋萩(あきはぎ)が咲きました。いますぐ川向こうのあの方に逢って触れたい。

七夕の歌のひとつです。つまり、天の川の向こうの人に早く逢いたい気持ちを詠んだ歌です。

和歌memo 姫空木編-姫空木√ 

恋ひ恋ひて 逢へる時だに 愛しき
言尽してよ 長くと思はば
(姫空木)
長く恋いつづけてやっと逢えた、その時だけでもせめてうれしいことばを尽してください。この恋を長くとお考えでしたら。

和歌memo 姫空木編-姫空木√ 

うつせみし 神に堪へねば 離り居て 朝嘆く君 放り居て わが恋ふる君 玉ならば 手に巻き持ちて 衣ならば 脱く時もなく わが恋ふる 君そ昨の夜 夢に見えつる
(斧定)
現実の身では神の力には逆らえぬので、遠くあの世に離れてしまったと、朝も私の嘆く君。放れていても私の恋する君。君がもし玉ならば手に巻いて離さずに持ち、衣ならば脱ぐときもないほどに私の恋する君と、昨日の夜夢で逢えましたね。

和歌memo 姫空木編-姫空木√ 

心にも あらで憂き世に 長らへば
恋しかるべき 夜半の月かな
(斧定)
この辛く悲しい世の中を、不本意ながらも生き延びていれば、いつか今宵の月が恋しく思えるに違いない。

和歌memo 姫空木編-姫空木√ 

高麗錦 紐解き放へて 寝るが上に
何と為ろとかも あやに愛しき
(姫空木)
高麗(こま)の錦の紐を解き、共寝したのに、これ以上あの娘(こ)はどうしてほしいのか たまらないほどいとおしい

和歌memo 姫空木編-姫空木√ 

命あらば 逢ふこともあらむ 我が故に
はだな思ひそ 命だに経ば
(姫空木)
命さえあったら逢うこともありましょう。私のためにひどく物思いをなさいますな。命さえ長らえたならば。

和歌memo 姫空木編-姫空木√ 

君が行く 道の長手を 繰り畳ね
焼き滅ぼさむ 天の火もがも
(姫空木)
あなたのいらっしゃる道の、長い道のりをたぐり寄せて畳んで、焼き尽くしてしまうような天の火がほしい。

和歌memo 姫空木編-姫空木√ 

玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば
忍ぶることの よわりもぞする
(百歳)
我が命よ、絶えてしまうのなら絶えてしまえ。このまま生き長らえていると、堪え忍ぶ心が弱ってしまうと困るから。

和歌memo 姫空木編-姫空木√ 

益荒男が たばさむ太刀の 鞘鳴りに
幾とせ耐へて 今日の初霜
(花神)
立派な武人である私がさげている太刀の音が心の高ぶりを伝えて鳴る、その音に何年も耐えて、今日の初霜の日を迎えたのである

居然是三岛由纪夫的辞世短歌……

和歌memo 姫空木編-姫空木√ 

天地と いふ名の絶えて あらばこそ
汝と我と 逢ふこと止まめ
(姫空木)
天といい地という名が、もしなくなればこそ、お前と私との恋は終るだろう。

和歌memo 姫空木編-蛟√ 

吉野山 こずゑの花を 見し日より
心は身にも そはずなりにき
(蛟)
吉野山に咲く梢の桜の美しさを見た日から、桜にあこがれる自分の心は、身には添わなくなってしまったことだよ。

和歌memo 姫空木編-蛟√ 

数ならぬ 心の咎に なし果てじ
知らせてこそは 身をも恨みめ
(蛟)
ものの数でもない私の心の過ちとしてしまうまい。私の恋心をあの人に伝えて、それで叶わなかった時に我が身の拙(つたな)さを恨もう。
 
始めから我が身の拙さを恨んでしまうのではなく、まず積極的に行動に出て、それでだめなら自分の
実力のなさを恨もうということです。

蛟的短歌好像都是西行的?

和歌memo 姫空木編-蛟√ 

惑ひきて 悟り得べくも なかりつる
心を知るは 心なりけり
(蛟)
これまで惑いながら生きてきた人生ではあるが、悟りを得る事ができなかったこの愚かな心を知っているのもまた、自分の心なのだろう

和歌memo 姫空木編-蛟√ 

浮かれいづる 心は身にも かなはねば 如何なりとても 如何にかはせむ
(蛟)
恋に浮かれる心は自分の身では抑える事ができない。ならばどうすればいいのだろうか、もう自分ではどうすることもできないのだろう。

和歌memo 姫空木編-蛟√ 

見るも憂し 如何にかすべき 我が心 かかる報いの 罪やありける
(蛟)
見るのも辛く、どうしていいのか分からないほどの地獄。このような報いを受ける罪を、自分もまた持っているのだろうか

なべてなき くろきほむらの 苦しみは よるのおもひの 報いなるべし
(蛟)
比べものにならないほどの黒い炎で身を焼かれる苦しみは、淫らな愛欲を抱いた報いなのだろう

关注

和歌memo 姫空木編-蛟√ 

いかでわれ 清き曇らぬ 身となりて 心の月の 影を磨かん
(蛟ED1)
どうにかして清く迷いのない身となり、心にある月を輝かせこの影を払いたいものだ

和歌memo 姫空木編-唐紅√ 

思ふこと 言はでぞただに やみぬべき 我とひとしき 人しなければ
(唐紅)
思っている事をそのまま口に出さないほうがいい。私と同じ心の人などいないのだから

我又要说了,唐红你小子只有在用和歌的时候才会可爱一点(

和歌memo 姫空木編-唐紅√ 

狩り暮らし 七夕つめに 宿からむ 天の川原に 我は来にけり
(唐紅)
一日中狩りをして日が暮れたので、ここの七夕の姫(織姫)に今宵の宿を借りるとしよう。いつの間にか、天の川(天野川:実在の場所)の辺まで来ていたようだから

和歌memo 姫空木編-唐紅√ 

寝める夜の 夢をはかなみ まどろめば いやはかなにも なりまさるかな
(唐紅)
昨夜、貴方とすごした一夜が夢のように儚いので、家に戻ってもう一度その夢を見ようとしたものの、ますます儚い気持ちが増すばかりだった

和歌memo 姫空木編-唐紅√ 

月やあらぬ 春や昔の 春ならぬ 我が身ひとつは もとの身にして
(唐紅)
この月も春も、もう昔と同じものではないのだろうか。月も春もすっかり違うもののように見えるのに、自分ひとりだけが昔と変わらないままだなんて。

和歌memo 姫空木編-唐紅√ 

おほぬさと 名にこそたてれ 流れても つひによる瀬は ありてふものを
(唐紅ED)
幣(祓えのときに使う道具)のように自分は引く手数多だと貴方は言うが、たとえ大幣といえど川に流された先には、必ず貴方という背に辿り着くことでしょう。

和歌memo 唐紅/うつつ編-唐紅√ 

暮れぬとて寝てゆくべくもあらなくにたどるたどるもかへるまされり
(唐紅)
日が暮れたからと言って、寝てゆくことができるわけではないのに…。薄暗い道を辿り辿り帰った方がましです。

思いを受け入れてくれぬ女の家から帰る時、物(柱や家具など)に書き付けていった歌。これ以上長居をしても虚しい思いをするだけだろう、と女を恨んだのである。伊勢物語には見えない。

竟然是在原業平………………

和歌memo 唐紅/うつつ編-唐紅√ 

いかでかは鳥のなくらむ人知れず
思ふ心はまだ夜深きに
(唐紅)
どうして鳥が鳴くのだろうか。だれにも知られないように、恋い慕っている私の思いからすると、夜明けには程遠い。

和歌memo 唐紅/うつつ編-唐紅√ 

かずかずに思ひ思はずとひがたみ
身をしる雨はふりぞまされる
(唐紅)
いろいろとあなたが私のことを思っているのか思っていないのかお尋ねできないので、私の幸不幸を知る雨がひどく降っています。

和歌memo 唐紅/うつつ編-唐紅√ 

花にあかぬ歎きはいつもせしかども
今日のこよひに似る時はなし
(唐紅)
美しい花を見ても飽きることはなく、いつまでも見ていたいという嘆きは花を見るといつもあったが、今日のこの夜のように強く思うことはこれまでになかった。

和歌memo 唐紅/うつつ編-唐紅√ 

(斎王)君やこし我や行きけむ思ほえず 夢かうつつか寝てかさめてか
(狩の使)かきくらす心のやみにまどいにき 夢うつつとは今宵さだめよ
(斎王)あなたが来たのか私が行ったのかわかりません。夢か現実か寝ていたのか起きていたのか。(狩の使)暗くなる心の闇の中で迷ってしまった。夢か現実かは今夜決めなさい(今夜わかる)。

『平安時代に成立した歌物語(うたものがたり・和歌をめぐって構成される物語)で、各段は「むかし、男ありけり」で始まる。随所に在原業平(ありわらのなりひら)の歌が引かれ、業平を主人公として意識させる内容が中心になっている。
とくに六十九段は斎王と狩の使(かりのつかい・鳥獣狩猟のために諸国に派遣された役人)との贈答になっていて、神に仕える斎王が男性と恋に落ちるというスリリングな物語である。

かち人の渡れど濡れぬえにしあれば
又あふ坂の関はこえなむ
(上句みこと下句唐紅)
斎宮寮の入り江は徒歩で歩いて渡っても裾が濡れないほど浅いので、また逢坂の関を越えて都に帰るでしょう。その時またお会いしましょう。

妙啊!!!!!!!!!

和歌memo 唐紅/うつつ編-唐紅√ 

ちはやぶる神代も聞かず竜田川
からくれなゐに水くくるとは
(唐紅)
不思議なことが多かったという昔の神々の時代にも、こんなことは聞いたことがない。この竜田川に紅葉が浮いて、川の水から紅のしぼり染めにしたなんて。

和歌memo 唐紅/うつつ編-唐紅√ 

名にし負はばいざ言問はむ都鳥
わが思ふ人はありやなしやと
(唐紅)
「都」という名を持っているのなら、(都の事情に詳しいであろうから)さあ尋ねよう、都鳥よ。私が恋い慕う人は無事でいるのかいないのかと。

和歌memo 唐紅/うつつ編-唐紅√ 

筒井つの井筒にかけしまろがたけ
過ぎにけらしな妹見ざるまに
(唐紅)
庭の井戸をかこむ、井筒(井戸の枠)と比べたりして遊んだ私の背丈もずいぶん大きくなったのですよ、あなたにお会いしないうちに。
幼馴染の男女の、男性の方が女性に向けてプロポーズしたときの歌です。

和歌memo 唐紅/うつつ編-唐紅√ 

くらべこしふりわけ髪も肩過ぎぬ
君ならずしてたれかあぐべき
(みこと)
くらべあった髪の長さも、私は肩を過ぎて伸びました。あなたのためでなくてどなたのために髪をあげましょうか。 ※髪をあげるとは、女性が成人し、結婚できることを示す。

和歌memo 唐紅/うつつ編-蛟√ 

風になびく富士の煙の空に消えて
ゆくへもしらぬわが思ひかな
(蛟)
風になびく富士の噴煙が空に消えてゆく。その煙と同じように、私の思いもどこに行こうとするのか、行方もわからない。

和歌memo 唐紅/うつつ編-蛟√ 

はるかなる岩のはざまに独り居て
人目思はで物思はばや
(蛟)
人里を遥かに離れた岩の狭間に独り居て、他人の目を気にせず物思いに耽りたいものだ。

和歌memo 唐紅/うつつ編-蛟√ 

になびく富士の煙の空に消えて
ゆくえも知らぬわが思ひかな
(蛟)
風になびく富士山の煙が空に消えて、そのように行方も知れないわが心であるよ。

和歌memo 唐紅/うつつ編-蛟√ 

さやかなる鷲の高嶺の雲ゐより
影やはらぐる月よみの森
(蛟)
鷲山にかかる雲から現れた月は、さやかな光をやわらげて、この国に月読の神として出現し、月読の杜に祀られている。

和歌memo 唐紅/うつつ編-蛟√ 

かかる身に生したてけんたらちねの
親さへつらき恋もするかな
(蛟)
恋の思いに悩みに悩む、そんな身に育てあげてくれた親さえもが恨めしく思われるような、たいそうつらい恋をすることだなあ。

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